インスタレーションにも似た魅力を感じる、劇団ゲッコーパレードさんの公演を見てきた話

ゲッコーパレードさんの公演に行ってきました。

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小劇団って、当たり外れが大きい上に行ってみるまで内容がわからず、
美術展よりも遥かに、手出ししにくくて、がっかりリスクの高いものだと思うのです。

あと、小劇団って、演者の方々が公演前になると、急に遠い知り合いにまで連絡してチケットノルマを達成するためにチケットを売りつけようとして、そのうえ本番では身内感バリバリの公演をして一般来場者を置いてきぼりにする上、演者の方々はスゴイ貧乏という…あのだれも報われない空間に行くと、成り立たないものは潰れてしまったほうがいいんじゃないかな…と思う、あのイメージが強すぎて。(すみません偏見かもしれません)

と言う軽度劇団アレルギーを持っている私ですが、ゲッコーパレードさんの公演楽しかったです!!

 

GECKOPARADE

<ゲッコーパレード>

2015年に結成された、舞台表現のための集団。演劇を軸に、美術、音楽などさまざまなジャンルの芸術家との創作を積極的に行っている。名前の由来は、「目的ではなく人の集まりこそがパレードのように活動や表現を形成していく」という信条から。埼玉県蕨市にある木造家屋「旧加藤家住宅」を拠点としている。

 

今回はバーで開催しているアラビアンナイトの公演に行ったのですが、

暗闇とお酒とインスタレーションがお好きな方は特に楽しめると思う、面白くて新しい空間でした。

芸術でも演劇でも、作り手にこだわりがありながら、詳しく知らない人でも、老若男女問わず楽しめる空間を作り出せるって格好いい!
と思うのですが、まさしく、作っている人のサービス精神を感じるバリアフリーな公演でした。

ちょうど右隣に演劇マニアな男性客、左隣にご年配の女性客がいたのですが、どちらもたまに笑い声をあげながら公演を楽しんでいたのが印象的でした。

良い空間だった!

 

特に心に残った点を何点か。

 

会場がバー

10人くらいしか座れない、客席は3畳ほどの大きさのこじんまりした空間で、隣の人との距離が近く、役者さんも話題を振ってくれながら、会話が発生する感じが素敵。

物語の序盤などに、全観客に軽く「じゃあ美女の役やってください」など、ストーリーに引き込んでくれて素敵。

その辺にいろいろな小道具が置いてあるのですが、果たしてお芝居で使う小道具なのかバーの備品なのかわからない感じ。

バーテンダーさんと演者さんが、協力してお芝居を作り出す感じ。
バーテンダーさんはタイミングをみてお酒を出したりおつまみを出したり明かりを絞ったり効果音を流してくれたりされてました)
 バー自体馴染みがないので、異世界でとっても楽しかった。

 

物語が入れ子構造

アラビアンナイト千夜一夜物語)というストーリーの魅力なのですが、登場人物の若い娘シェヘラザードが、若い娘を床に招いて一夜をともにしては首をはね続ける王様の奇行を止めるために、毎晩王様にお話をしつつ、「でもあの話はもっと面白いんですよねぇ、明日の晩も生きていれば、お話できるのですが」と次の話をほのめかし続け、娘が王様に物語を毎晩語り続ける、というスタイルで進行していく。(アリババやアラジンなども、アラビアンナイトで語られるお話の一部らしい)

その物語の中の登場人物が、さらに物語を話し出す、など入れ子構造で展開していくこともある。

バリエーション作り放題な魅力的なテーマ。 

 

おサケ

アラビアンナイトをイメージしたオリジナルカクテル付き。

ほろ酔い加減で公演を見られる。

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その上、公演中に液体①と液体②を混ぜて色が変わる!というシーンがあるのですが、これが実は混ざると色が変わるお酒で、後々にカクテルとして振舞っていただけた。
(カクテルはたしか薬草系の、ウーゾとかだったかも。忘れてしまった)

ギリシャの国民酒、「神のお酒」ウーゾとその飲み方。 | ACCETORY

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明かり

光源として、①上からつるされた電球②持ち運びできる小型スポットライト③フロアの照明④真っ暗にしたときに活用する懐中電灯 を有効活用。

特にスポットライトは、下から光を当てて裏に大きな影を映しこんだりなど、雰囲気作りに大活躍。

 

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真っ暗なシーンなども挟み、狭い空間で様々な見せ方をしてくれた。

 

PVと音楽を流す

 一人芝居と、お酒やおつまみを楽しむ間の中に、PVを流してくれるタイミングがあった。

なんだか、ストーリーと特に関係ないオシャレで意味深な雰囲気の映像。

公演中にこんな時間の使い方をしてくれるんだ、となんだか贅沢な感じ。

 

 

リピーターさんの話を聞くと、どうやらいろいろと挑戦をしている団体のようで、公演ごとにちらほら内容が変わっているご様子。
今度はどんな演出を見せてくれるんだろう、と今から次回の公演が楽しみです。