基本が分かればアレンジ簡単!クッキーの基本配合レシピと材料の化学。

クッキーのレシピってたくさんありますよね。
レシピを見るだけで自分好みのクッキーが分かったり、アレンジする時に何を足して何を減らせばいいのか理屈がわかったりしたら便利かな、と思ってまとめました。
製菓学校で学んだ知識が活かせたら幸いです。

 

クッキーの基本配合

クッキーの基本配合はこちら。
レシピを見ると、この分量で作られている事が多いです。
もちろんこの基本をベースにアレンジしてもOK。

基本の1・2・3のクッキー

砂糖:バター:小麦粉=1:2:3

基本の0・1・2・3のクッキー

卵:砂糖:バター:小麦粉=1個:100g:200g:300g

クッキーの基本レシピ

クッキーの基本レシピはこちら。基本はこの手順で作ります。

①バター クリーム状になるまでよく練る
②砂糖  加えてしっかり混ぜる
③卵   ほぐした卵を加えて混ぜる
④小麦粉 薄力粉を加えて、切るように混ぜる

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手順のコツと理由

①バター
良く練ると、空気を抱き込みサクサク食感になりやすい。
空気を含ませ過ぎると、バターの香りが感じにくくなる。

②砂糖
水分を抱き込む保水効果があるので腐りにくくなる。
焼くと焼き色と香ばしい匂いを出す。(カラメルと同じ原理)
お砂糖控え目レシピも多いですが、お砂糖が少なすぎると「いくら焼いても焦げ目がつかない」など影響が出ることも。

③卵

膨らんだり、歯ごたえが良くなったりします。
卵を入れないレシピには、スノーボールなどホロホロしたクッキがあります。

④小麦粉

小麦粉に水を加えるとグルテンという組織が出来て、形が出来ます。
混ぜすぎると歯ごたえが良くなくなるので、お菓子作りでは薄力粉を入れた後はあまり混ぜないこと。

クッキー材料と効果

バター・油脂

バター
・風味付け
・白っぽくなるまで泡立てると、空気を抱き込んでサクサクになる
・バターを冷たいままフードプロセッサーで空気を抱き込まないよう混ぜるとバターの風味が際立つ 

ショートニング・マーガリン・ココナッツオイル(固形)など
・空気を抱き込んでいるので膨みやすく、サクサクする。
サラダ油・オリーブオイル・太白胡麻油・ココナッツオイル(液体)など
・膨らまないので、詰まった感じになる。固めの仕上がり。

砂糖
歯ごたえサクサク・保水性しっとり・こんがり焦げ目。
●上白糖
甘味・しっとり。
●グラニュー糖
上白糖よりクセがないので他の素材を活かしやすい。軽い食感。
●粉糖・粉砂糖
粉末状の砂糖。口どけが良くなる。
●黒糖
コクが出る。クセある。
●きび砂糖
やさしい甘み。ミネラルが含まれる。
三温糖
上白糖をカラメル化させた茶色い砂糖。風味がある。
●てんさい糖
ビートオリゴ糖が含まれていて、マクロビに使われる。
甘味度が低いので甘さ控えめ。

・乳化剤:卵を入れることで、バター(油)と水分が混ざりやすくなる。
・起泡性:膨らませる。
・熱凝固:焼いた時に形がダレにくい。
●卵黄
乳化剤効果。しっとり口溶けが良い。もろい。
サブレなどホロホロになるお菓子が得意。
●卵白
起泡性。焼いたときに膨張する。水分がとたんぱく質が多いため、焼き時間が長くなり硬くなる。
メレンゲなど膨らませて硬くするお菓子、ラングドシャなど薄く硬くするお菓子が得意。
●全卵
卵黄・卵白の中間。 

薄力粉

・ふるう:空気を抱き込ませふんわりさせる。ダマを取るため
・こねすぎない:グルテンが形成され生地が固くもっちりとするため。ケーキなどは膨らまなくなる。パンやうどんはグルテンを形成させるためよくこねる。
・休ませる:粉の粒子に水分を行き渡らせてしっとりさせる。発生したグルテンの力を弱めて扱いやすくする。
●中力粉強力粉:薄力粉よりグルテンが多いのでお菓子作りに向いてないとされる。

ベーキングパウダーと重曹

クッキーを膨らませてサクサクにできる魔法の粉。
私はこのザクザクした感じが好きで、レシピに勝手に1%ほど重曹かベーキングパウダーを足すことも多いです。
重曹を入れると蕎麦ぼうろやカルメ焼きの様なテイストが加わります。
ベーキングパウダー
・水分を加えるとすぐ発泡するので、冷蔵庫で生地は寝かさずにすぐに焼く。
・生地は縦に膨らむ
・色を変えないので白く仕上げたいものに向いている
重曹
アメリカンクッキー(茶色くてサクサクのクッキー)に使う。
・熱を加えると発泡するので生地を寝かすことが出来る。
・生地は横に伸びる
アルカリ性なので、小麦粉に含まれる蛋白質を黄色く変色させる
・入れすぎると苦くなる

アーモンドプードル

・ナッツの風味
・油分を多く含んでいる
・小麦粉の何割かを置き換えると、グルテンができにくくなりサクサクに
・個人的には油っぽくなるので苦手 

クッキーレシピのアレンジ

アレンジしたいものを入れるタイミングは?

ココア・抹茶・ジンジャーパウダー・スパイス・塩は③卵を入れるタイミングに。
ベーキングパウダー・重曹・アーモンドパウダーは④小麦粉と一緒に。

砂糖を減らしても平気?

・焼き色が薄くなる
・膨らまなくなる
・砂糖は溶けると水分替わりになるので、粉がまとまりにくくなる

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レシピの砂糖、減らすとどうなる?増やすとどうなる? | cotta column

ノンオイルでもクッキーは作れる?

卵で粉をまとめれば作れます。
若干粉っぽく、硬い食べ物になります。クラッカーに近いです。
薄く焼くとパリパリになりますが、厚みがあるとしっとりした感じになってしまいます。

卵M1個
砂糖50グラム
☆薄力粉130グラム
☆片栗粉(コンスターチでもOK) 50グラム
☆ベーキングパウダー 小さじ1/3

卵無しでもクッキーは作れる?

もちろん簡単に作れます。
砂糖:バター:小麦粉=1:2:3が基本配合ですが、以下のレシピは2:3:6と、油脂が少なめですがまとまります。

薄力粉120g
砂糖40g
マーガリン 60g

型抜きクッキー・アイスボックスクッキー・絞り出しクッキー、レシピの違いは?
レシピを見ると、生地の柔らかさと原材料の比率が違います。
柔らかくバター比率が多い順に並べると、絞り出し>アイスボックス>型抜き
作る手軽さでいうとアイスボックスが一番楽ちん。

クッキー・ビスケット豆知識

・2月28日はビスケットの日。1855年2月28日に、保存の効く兵糧食であるビスケットの作り方を、長崎から水戸藩に手紙を送り伝えた史実が残されている日が由来。
・ビスケットの語源は、ラテン語で「2度焼いたパン」という意味。
・ビスケットは小麦粉類を焼いて固めたお菓子全般の総称。クッキーやクラッカー、乾パン、プレッツェルJAS(日本農林)規格ではビスケットに含まれる。
・日本の菓子業界でのみ、糖分や油分が多めの手作り風のものを、クッキーと呼んでも良いという決まりがある。

 

いつも作っている定番お菓子レシピはこちら